生活環境と高血圧

食塩摂取の適応

前に述べたように食塩の排泄を命令して調節している器官は、ひとつではなく複数存在します。それは器官によって臓器の大きさや身体にもたらす影響力の強さに個人差があります。血圧に個人差があるようにそれぞれの食塩に影響する量にも個人差があるのです。

食塩の排泄処理の能力が低く、体内の塩分が貯留しやすく、血圧が上がりやすい人を"食塩感受性"と呼び、反対に食塩の排泄処理能力が高く、食塩の負荷で血圧が上がりにくい人を"食塩非感受性"と呼びます。この食塩感受性の因子によって制限するかどうかがきまります。

食塩の感受性が大きい人は排泄処理能力が低いわけですから、食塩制限は血圧をさげるのに効果的です。反対に感受性が小さい人では血圧を下げる手段としてあまり効果的であるとはいえないのです。感受性の因子はいくつかあり、年齢・性別・人種・高血圧の遺伝歴・腎疾患の既往歴・高血圧の重症度・腎機能・血漿レニン活性によって決められます。

ちなみに血漿レニン活性とは、腎臓から分泌される血圧上昇ホルモンの一種です。これらの因子で感受性が大きい人は、高齢者の女性、黒人で家族に高血圧の遺伝歴があり、腎疾患の既往歴を持っていて重症の高血圧、腎機能は低下し低レニンの人です。

まだ年齢が若く高血圧も軽症で、腎機能が正常、家族に高血圧の人がいない人で食塩制限を試し、うまくいかなかった人は感受性が低いために効果がなかっただけなので、心配せずほかの方法を試してみてください。

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